(報告)アンコール世界遺産でのインターンシッププログラム(2023年9月実施)

 「海外での真の業務を学生たちに経験させたい」という意図からはじまったカンボジアのアンコール世界遺産でのインターンシッププログラムは,コロナ禍による3年間の中断はあったものの今年度で11回目をむかえました。これまでの参加学生数は,他大学からの参加者もあわせると約150名にもおよびます。

 アンコール世界遺産は,アンコール・ワット寺院に代表される壮麗な文化財と熱帯の豊かな自然,伝統の地域社会が織りなす巨大な複合体です。長年の戦乱が終わりカンボジアに平和が訪れるとともに,この世界遺産には観光客が押し寄せるようになりました。それとともに文化財の劣化や自然の破壊,環境汚染,地域社会の変質といった深刻な問題がつぎつぎと生じてきています。このような状況にあるアンコールを維持管理するのが国立アンコール世界遺産管理公団で,その業務は文化財の保護修復,環境保全,地域社会保護,観光整備と多岐にわたります。

 学生たちは2023年9月に約2週間にわたって公団職員とともに多様な業務に従事しました。「国際協力」,「地域社会」,「文化資源」,「環境保全」,「医療」といったキーワードがここにはそろっています。華やかな世界遺産の維持管理業務の重要性や,はやりの言葉である「持続可能」のための苦労を学生たちは経験しました。アンコールでの体験は国際社会へはばたく学生たちのおおきな糧となるはずです。

 

(プログラムの様子)