【モンゴル・エルデネト鉱山から飛散する人為ダストの可視化に成功】

　松木准教授、福士教授、長谷部教授、自然科学研究科大学院生Batbold氏らの研究グループはモンゴル国立大学・九州大学・名古屋大学・北海道大学・産業技術総合研究所と共同で、東アジア最大の銅・モリブデン鉱山であるエルデネト鉱山から発生する人為ダストの拡散動態を明らかにし、その影響が従来の予測よりも広範囲に及んでいることを明らかにしました。

人為ダストのホットスポット周辺では、人体への直接暴露はもとより、風による輸送、沈着後に広域にわたって重金属汚染を引き起こす恐れがあります。本研究では、地上における直接観測と静止軌道衛星ひまわり８号の画像解析に基づいて、尾鉱沈殿池から発生する人為ダストの時空間的な分布を検出することにはじめて成功しました。こうした研究アプローチは広大な国土に対して人口が少ないモンゴルのような地域と極めて親和性が高く、今後も同国におけるポイント大気汚染源の検出など、環境動態解析に益々重要な役割を果たすものと期待されます。

 

雑誌名：Scientific Online Letters on the Atmosphere (SOLA), doi.org/10.2151/sola.2022-036

論文名： Spatiotemporal Dispersion of Local-Scale Dust from the Erdenet Mine in Mongolia Detected by Himawari-8 Geostationary Satellite

発表者名： Chultem Batbold, Keiya Yumimoto, Sonomdagva Chonokhuu, Batdelger Byambaa, Batdavaa Avirmed, Shuukhaaz Ganbat, Naoki Kaneyasu, Yutaka Matsumi, Teppei J. Yasunari, Kenji Taniguchi, Noriko Hasebe, Keisuke Fukushi, and Atsushi Matsuki